その心理と原因は?SNS中毒を治した方法とその結果
スマートフォンという便利なものが世の中に出回ってからというものどこに行っても携帯の画面を覗き込んでいる人を見るようになりました。そんな事を言っている私もバスや電車に乗っているとき、誰かを待っているときは携帯でニュースを見たり動画を見たりしています。
私はなるべくSNS(ツイッターやインスタグラム、フェイスブック等)を見ないように気をつけています。というのも、私は以前SNS中毒で数十分、ひどいときは数時間インスタグラムで動画を見るような日もありました。
この記事では、SNS中毒だった私がどのようにこの「病気」を克服したか、その方法と治してみて気づいた結果について書いていきたいと思います。
なぜ人はSNS中毒になる?
そもそもなぜ人はSNS中毒になってしまうのでしょうか?ここでは軽くその心理と原因について解説してみたいと思います。
スキナーボックス実験
アメリカの心理学者でバラススキナーという人がいました。彼は「脳の報酬」という観点から様々な実験を行った人でその中にかの有名な「スキナーボックス」を用いた実験があります。
この実験では、次の条件のもと、ネズミが最もレバーを押す条件はなにか、つまりどれが一番中毒性があるかを検証しました。
- レバーに関係なく、一定間隔で餌が出る
- レバーに関係なく、不定期間隔で餌が出る
- レバーを押すと、必ず餌が出る
- レバーを押すと、不確実に餌が出る
一見すると、一番中毒性が高そうなのはレバーを押すたびに餌が出てくる3番のような気がします。しかし、結果的にネズミは4番「レバーを押すと、不確実に餌が出る」状態に中毒となったそうです。
この実験により人間も同様、「行為に与えられる報酬が確実な時よりも、不確実な時の方がその行為がより強化される」ことが明らかになりました(より詳しく知りたい方は下のリンク(英語)からどうぞ)。
ドーパミンの放出
実は、SNSもこのレバーを押し下げるのと本質的には同じ事をしているのです。SNSには一体何の報酬があるのだろうと思われるかもしれません。が、実はSNSをチェックする事で快楽物質のドーパミンが分泌されることが明らかになっています。
長い間、快楽物質と考えられていたドーパミンですが最近の研究ではドーパミンは快楽よりも、人に何かを求めさせたり欲させたり、探させたりすることであることが分かったそうです。
つまり、SNSを見ることで抽象的な概念、素晴らしいアイデアなどと出会いそれがドーパミンを放出させる仕組みとなっているのです。
オピオイドの放出
さらに最近の研究では快楽自体を人間に感じさせるのはオピオイドと呼ばれる物質だとされています。ドーパミンを放出することで人間は何か新しい事を探そうとし、その行為によって何かが見つかるとオピオイドが分泌され快楽を感じるという仕組みです。
この一連のドーパミンシステムは予測できない出来事が会った時に刺激されます。その点でいうとギャンブルだけでなくツイッターやインスタグラム、フェイスブックのタイムラインにどのようなコンテンツが表示されるかは予測できません。
こうして人間はSNS中毒になっていきます。
SNS中毒を脱した方法
次に私がどのようにしてSNS中毒を治療したのかその方法について説明していきます。
ステップ1:時間を計測する
あなたがSNS中毒ならスマートフォンを使っているはずです。その中にタイマー機能がありますよね?そこで5分くらいの時間を設定してSNSを普段通りチェックしてみてください。
あなたが思う以上に早く5分が経過します。SNS中毒だとその5分が1日の間に何回も積み重なります。
最近、インスタグラムにはどれくらいの時間をアプリに費やしているか自動で測ってくれるそうですが、SNSに依存している時の時間の流れを実感したいという人は一度時間を計ってみてください。
私はこの方法で1日2時間近くSNSで消費していることが判明し(毎日2時間あったらあれして、これもできるよなあ…)ともったいない気分になりました。
- タイマーで時間を計測する
- 1日何時間消費しているか時間する
- その時間を使って何ができるか考える
ステップ2:回数を減らす
時間を計測することでどれくらいあなたがSNSで無駄な時間を過ごしているか分かったと思います。ここで大抵の人が「うわ、やべえな、控えなきゃ」ってなります。
そうすると後は簡単です。今まで、休憩中とかちょっとした空き時間、作業を始める前に携帯に手を伸ばしていた回数を減らしてみましょう。まずは数分に一回から1時間に1回SNSチェックが目標です。
私が個人的にオススメなのは一回携帯を家に置いて外に出る方法です。何も一日中、家に置いて外にいろということではありません。例えば、近所のスーパーやコンビニに買い物にいく時、友達と近所のカフェで少しだけ話す時など携帯を家に置いてみてください。無意識にポケットの携帯に手を伸ばそうとしている自分に気づくはずです。
- SNSチェックを1時間に1回を目標にする
- 家に携帯を置いて外に出てみる
ステップ3:アプリを消す
「アプリを消すことなんてできない!」と思うかもしれませんが、消す行為自体はめちゃめちゃ簡単です。アイコンを長押しして上の消去ボタンをタッチするだけです。それでアプリは消えます。
分かってます。そういう問題じゃないですよね。SNSを消すことで周囲で何が起こっているのかわからなくなってしまうし、自分の生活を発信できなくなってしまう不安に駆られるのは痛いほど理解できます。私もそう考えていました。ていうか正直にいうと、今でも少しだけそう思っています。
ただ事実として人はそこまであなたのことを気にしていません!残念ながら!私はSNSを消してからというもの親しい友人からは「最近SNS静かだよな」と言われるようになりましたが、ほんの数人です。フォロワーの95%は気にもとめません。
そして、友達が何をしているか知りたい欲求は正直SNS中毒の状態からだとなかなか消えません。私は現在、インスタグラムのチェックを寝る前一回だけにしているのですがそれでもたまに開いてチェックしたくなってしまいます。
- 物理的にアプリを消すのは簡単、すぐ実行する
- SNSを消してみて周囲の反応を伺う
- 寝る前に1回だけチェックする(投稿はしない)
SNS中毒から抜け出した結果
上に説明した方法で晴れて。脳はSNSをチェックしたくても身体はSNSをチェックしなくなりSNS中毒は完治(仮)しました。それでは、SNSをチェックする回数が極端に減ったことでどのような効果を実感したか説明していきます。
効果1:明るくなる
あなたの友人たちの人生はみんながみんなSNSで見るようなバラ色の人生ではありません(私の意見では10%くらいは本当にバラ色ですが)。みんな人からみられることを意識してSNS上でバラ色の人生を作り上げているのです。
もし気分が暗い時にSNSをチェックして誰かが楽しそうにしているのをみるとどうしても自分の今の状況と比べざるを得ませんよね。あなたが今、絶頂に楽しくて幸せな人生を送っているならこの効果はないかもしれませんが、大体暇つぶしで何もすることが無い時にSNSをチェックしているという人は絶対に気分が明るくなります。
効果2:時間が増える
早起きをすると1日の時間が増えたような感覚がしますよね。それと一緒です。SNSをチェックする時間が減ることでより多くの作業ができるようになり、まるで時間が増えたような気がします。というか実際に増えています。
効果3:集中力が上がる
作業と作業の間、大学生で言えば論文を書いていて休憩〜なんていう時にSNSをだらだらとチェックしてしまう人は多いのでは無いでしょうか。
実はSNSをみている時人の脳は休憩できていません。次々と新しい情報が入ってきて脳はその処理に追われています。それを休憩と勘違いして作業を再開してしまうと脳が疲れるのも早くなってしまいます。
そんな「休憩」時間を取り除くことで作業のテンポは良くなるし、SNSで気が散ることも少なくなって、より集中できるようになりました。
まとめ
いかがでしたか?
SNS中毒を克服するのは長い道のりで最初の方は本当に辛くて空いた時間に何をしたらいいのかわかりませんでした(今は寝たり読書したりしています)。
SNSは困った時は助けを求められるし、話のネタになることも多いです(これが今でも私が1日1回はSNSをチェックする理由です)。上手な付き合い方をして少しハッピーになりましょう!