中国人観光客に飲食店でお湯を求められた時の対応3つ! | Life Info Nerd
観光客の多い場所の飲食店で働いているとわかるのですが、日本にやってくる観光客のほとんどがアジア圏の人です。そして、その中でもとくに多いのが中国人観光客です。
なんと、日本へ観光に訪れる中国人観光客の数は2017年に700万人を超えました。
中国人のビザ取得も徐々に簡単になっており、これからも増え続けると予測されています。
こうやって、たくさんの中国人が日本にやってきて、日本経済をまわしてくれるのはいいのですが、そんな中国のお客さんが日本の飲食店にやってきた時に決まって言うセリフがあります。それは
「お湯をください」
です。
中国ではどうなのかわかりませんが、少なくとも日本では飲食店でお湯を出す習慣はありません。
そこで、中国人がお湯を好んで飲む理由と、中国人にお湯を求められた時の対応についてまとめてみました!
- なぜ中国人はお湯を飲むのか?
- 中国の食事ではお湯が必須!
- 中国では歴史的にお湯が飲まれてきた!
- 中国医学ではお湯が最高の飲み物!
- 飲食店で中国人にお湯を求められた時はどうしたらいい?
- 対応1:お湯を出してあげる
- 対応2:氷を除いた常温の水をあげる
- 対応3:丁寧にお湯がないことを伝える
- まとめ
なぜ中国人はお湯を飲むのか?
お湯を求められたときの対処法に入る前に「なぜ中国人がお湯を飲むのが好きなのか」その理由を知りましょう。
なにも、中国人もわけがなくお湯を飲んでいるわけではありません。その事情を知るのが、まずは大事です。
中国の食事ではお湯が必須!
中国人がお湯を好んで飲む理由の一つは、中国の食習慣に隠されています。
中国では穀物が主食で、経済的に発展した今でも肉や乳製品がまだまだ全ての食卓に行き届いていません。穀物だけの食事では、体の熱量が不足してしまうので、それをお湯で補おうとしたのがお湯を飲む習慣が始まった理由と一つと言われています。
一方、欧米などの食事は熱量が多く、わざわざお湯を飲む必要がありません。なので、もともとお湯を飲む習慣もなく、そのまま冷たい水が飲まれ続けています。
また、中国や台湾の水は硬水(ミネラル分が多く癖の強い味が特徴。飲用には適さない場合が多い)なので、そのまま飲むことが避けられてきました。
なので、お湯を沸かして飲む習慣がついたとも言われています。(※ですが、実際硬水は沸騰させても硬度が上昇するそうなので、事実は不明です。)
中国では歴史的にお湯が飲まれてきた!
中国は経済的に発展し超大国になりつつありますが、それも最近の話です。数十年前までは途上国の一つでした。
ということで、水道設備も十分に整えられている地域が少なく、1930年には白湯(水を沸騰させたもの)が政府から公式に推奨されました。
1950年代には、中国政府が国中にボイラーを設置し始めます。
そうして中国国内ではお湯を飲むのが普通になり、現在まで続くようになりました。マクドナルドでさえお湯をただでもらえるそうです。
これらは水を沸騰させ、水中の有害な菌を殺すことを目的としていました。水道設備が不十分だったからこその理由ですね。
また、歴史的に中国人を大規模な伝染病から救ってきたのはお湯だと信じられています。
ちなみに、お茶が嗜好品として長い間楽しまれてきた中国では、お茶に使うお湯も水分補給の方法として考えられてきました。
中国医学ではお湯が最高の飲み物!
中国医学では「健康で長生きしたければお湯を飲むべき」と伝えられています。
人の体には陰と陽という二つの要素があるらしく、中国医学ではそのバランスが崩れることで風邪をひいたり体に不調が訪れるとしています。
そして冷たい水はまさに、そのバランスを乱すものなので避けられるということです。
中国ではお湯を飲むことであらゆる病気を治すことができる、といった意味のことわざもあるくらい、医学的にもお湯の効能が信じられています。
飲食店で中国人にお湯を求められた時はどうしたらいい?
それでは、中国人がなぜお湯を愛してやまないのか分かったところで、私たち日本人が中国のお客さんにできる対応をみていきましょう。
対応1:お湯を出してあげる
一番はこれに限ります。
お客さんの満足度も高まりますし、日本でスムーズにお湯を出してあげると相手の喜ぶ顔も見れて一石二鳥です。
お客さんが多くて対応に急いでいる時や時間がない時はわざわざお湯を出す必要はありません。ですが、もし時間に余裕があるならきちんとお湯を沸騰させてもっていってあげましょう。
日本ではなかなかお湯をもらえないので、きっと喜んでもらえるはずです。
サービス業の観点からはこの対応がベストですね。
対応2:氷を除いた常温の水をあげる
基本的に「お湯」を欲しがる中国人ですが、忙しい時はただ氷のない常温の水をでも文句は言われません。
とくに、最近の若い中国人観光客は「お湯をください」という前に「お水から氷を抜いてください」と頼む人が多いように感じます。
水道水が飲めるのであれば、普通に蛇口から水を入れるだけで終わります。
お湯を出せない時に、代わりの選択肢として「常温の水なら出せますがどうでしょうか?」と聞いてみましょう。
対応3:丁寧にお湯がないことを伝える
あまりにもお店が忙しく、他にやらなければいけない仕事がたくさんあるという時は、丁寧にお湯の提供は断りましょう。
まれに、お湯がないことをきっかけに怒る中国人の方もいますが、ほとんどの人は我慢して冷水を飲んでくれます。
お客さんにベストなサービスを提供するのが仕事なので、お湯を注いでいて他の客に迷惑がかかるようなら無理しなくても大丈夫です。
私の働くお店ではお店が満席になったら基本的にはお湯の提供を断るようにしています。
まとめ
いかがでしたか?
中国人がお湯を飲む理由は以下の通りです。
- 中国での食事は熱量が不足しがち。お湯を飲まないとやっていけない。
- 中国の水道が整備されていない時代、健康のために白湯が奨励された。
- 中国医学では、体の陰陽のバランスを取るためにお湯が重要としている。
そして、アルバイト中に中国人のお客さんからお湯を求められたら次のどれかで対応しましょう。
- 時間に余裕がある時はちゃんと水を沸騰させて、お湯を提供する
- 沸騰させる時間がない時は、氷を抜いた常温の水を提供する
- どうしても、忙しくてお湯を出せない時は、丁寧にお湯の提供を断る
自分の国から出ても、お湯を求めるその姿勢にどこか中国人らしさを感じます。とはいっても、日本の飲食店で働いている限りそのニーズにできる限り答える必要があるのも事実です。
できる限りお湯を提供して、中国人観光客の人たちに、もっと満足してもらいましょう!